2010年1月18日月曜日

[バイク] 業界こぼれ話 ~ヘルメット編~

FF-5を探してぶらりと立ち寄った某大型用品店にて
店員さんに興味深いことを聞いた。
※情報は確証があるわけではありません。
 あくまで個人的に聞いた話をそのまま書いているだけなので
 そのことを踏まえて御覧下さい。
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■FF-5について
若干風切り音が大きめなのと、
帽体が大きいため頭でっかちに見えるが、それ以外は良い。
性能や値段も考えて、自信を持ってオススメできる品である。
というか自身も気に入って購入し、使用している。


■FF-5販売終了について
次期モデルが発表される。
ほとんど情報が出回っているショウエイのX-12と違い、
あまりにも突然で、小売側にも詳しい内容はあまり回ってきていないが、
「FF-6」になるようなフルモデルチェンジではなく、
シールド等も互換性がある「FF-5 XXX」というようなマイナーチェンジになるようだ。

変更内容の一つとしては三次曲面シールドと、
それに使えるダブルレンズシールドのリリース。
ただし、アライやショウエイのように、
海外の規格(ピンロック)を採用するかはわからない。
ダブルレンズに関しては以前販売されていたが、販売終了になった。
ユーザーから再販の強い要望があったらしい。

2月、3月くらいにはもう少し詳しい情報が入るだろう。


■FF-5のベンチレーションについて
よく効く。
そもそもトップベンチレーションを初めて開発したのもOGKで、
特許も取っている。

以前ショウエイに研修に行った際、
風洞実験施設を見学したが、
そこには国内国外のあらゆるヘルメットが置いてあり、
当時はバイクが丸々入れるような広さではなかったので、
六方向(前後左右上下)の圧力の大きさを検知できる機械にマネキンの頭を取りつけ、
それにヘルメットを被せて風洞実験をしていた。

温度計などのセンサーを内部に取り付けて
ベンチレーションの実験も行っていたが、
その際にショウエイと同等のベンチレーション性能を発揮できたのは
唯一OGKのヘルメットだけだった。

ちなみにアライのヘルメットのベンチレーションは
実質「抜ける」分だけしか働いていなかった。
空気の入口の構造的な問題なのか、その中のベンチ穴に入る空気よりも、
すぐ奥でUターンして出て行く空気の量が圧倒的に多かった。


■FF-5はモデルチェンジでSnellなどの規格に対応するのか?
それは無いと思う。
そもそも発想からして違う。
ショウエイやOGKはどちらかと言えば
「あえてヘルメットが潰れることによって、頭を保護する」という発想。
(※ヨーロッパのECEという規格がこの考え方)

対してSnell規格は、簡単に言ってしまえば「ひたすら頑丈にすればいい」という発想。
現状RR5やX-12などのトップモデルがどんどん重くなっているのも
Snell規格が厳しくなってきているのに関係がある。
値段が上がってきているのもSnellに金を払っているようなもんだから。

面白いのは、アライがほとんどのモデルでSnellに対応しているのに対して、
ショウエイはトップモデルしか対応していない所。
トップモデル以外には必要ないという考えだろう。

そもそもSnellなんか通らなくても、
10年前20年前と違って最近のヘルメットは恐ろしく頑丈。
店員同士でも、仲間内でも、もちろんお客様からも、
「ヘルメットが割れた」なんて聞いたことが無い。
穴でも開けようにもドリルを使ってやっとなんとか、というところじゃないか。
ドリルを使っても、間に繊維の層があるので、刃に絡まって恐ろしく時間がかかる。

そこそこのランクのヘルメットで最低限必要な強度が確保できたなら、
そういう規格にお金を払うよりもシールドの一枚や二枚買う方が良いと
個人的には考えている。


■ウェイクスタビライザーについて
実際に謳い文句通りの効果がある。
100km/h以上のスピードが出ていても、
50km/hやそこらのスピードの時と同じ感覚で
頭の向きを変えることができる。


■X-12とウェイクスタビライザー
X-12にも採用されているが、
ショウエイが採用を決定する際に、
ウェイクスタビライザーの特許権を持つOGKと一悶着あったようだ。
ただ、もともとショウエイとOGKは仲が良いので
そこまで大きなものには発展しなかったらしい。
もっと正確に言えば、アライが他社と仲が悪いと言った方が正確かもしれないが。


■アライヘルメットについて
国内シェアNo.1なせいか、かなりの殿様商売。
例えばショウエイやOGKなら、発売予定日、出荷予定日を発表すれば
その通りにキッチリとこなすが、
アライに限っては、予告なしに発売予定日から半年遅れたり、
最悪発売中止にしたりということもあった。

商品を待っていたお客様からのクレームは
全て小売や卸が受けるのでたまったものじゃない。
関係者で話しているときに、
一度声を挙げた方がいいんじゃないか、という話も出たが、
未だ実際にそういうことが有ったというのを聞かない。
みんな不満を持たないのか不思議でしょうがない。

小売側の人間である以上、どこのメーカーがどうとは言えないけど、
一企業としてのアライに対する個人的な印象はあまり良くない。
作っているヘルメット自体の出来はカッチリとしていてとても良いのだが。


■OGKについて
良くも悪くも職人気質。
他に比べて商売っ気はあまりなく、地道にやっている。
OGK自体がこの店舗から比較的近いところにあるのもあるが、
割とサポートが厚い印象。
目の前で「修理して」と言おうものなら、
そのままOGK号(OGKロゴがでかでかと入った社用車)に積んで持って帰りそうな勢い。

FF-5が発売された当初も、営業の方が店舗に来たが、
「自信作なのでもしよければ使ってみてください。
 飽きたら返して頂ければ結構なので」
とか言いつつポンとサンプルを置いていった。

実際FF-5のデキが良かったのはもちろんだが、
店員自身が実際に使用したので、
お客様に説明する際も説得力のある説明ができている。
サンプルをテストして気に入ったので私自身購入したというわけ。

以前Screamの緑がどうしても欲しいというお客様がいたのだが、
卸にも在庫にもどうしても見つからず、
OGKに直接問い合わせたところ、
「OGK本社のショールームにある奴で良ければ使ってください」と送って頂いた。
元の場所には別のサイズのものを飾っておくので、とのことだが、
逆にそこまでしていいのかとも思ってしまう。

基本的に「できない」とは言わない会社なので、
小売である私たちも「できない」とは言わず、
最低でも在庫など探してみるようにしている。
OGKにも「倉庫の隅のほうに余ってるんちゃうの?」なんて言ってね


※Kさんありがとうございました。
 それとFF-5買えずに申し訳ない。タイミング悪く入れ違いでした。

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