2008年12月9日火曜日

防寒を考える

世間は冬真っ盛りである。
寒い…最低気温0度に達するのも時間の問題だ。
バイク乗りにとっての寒さというのは、その他の交通手段に比べて遥かに大きい存在だ。
なにせ車と同じスピードで走っているのに直に風を受けるのだから当たり前だが。
そこで今回は防寒について考えてみる。

防寒の基本は重ね着だ。
勿論、下着と超厚手のダウンジャケット1枚づつでも事足りるかもしれないけど、
きちんと一枚一枚の役割を考えて着ればそこまで厚着をしなくても寒さはしのげる。
というかダウンジャケットも1着ではあるが複数の役割を兼ねているから暖かいのである。
それにあまりモコモコの厚着をすると動きにくくなるので危ない。

まずこの図を見て欲しい。

このように、理想の並び順としては外側から、防風層→断熱層→保温層→吸汗放湿層、となる。

まず防風
これは誰にでも分かるだろうけど、冷たい風が服の中にビュービュー入ってきたら当然寒い。風によって直接体温を奪われるからだ。なので、できるだけ風を通さないようにすることが防寒の常識である。
普通に歩いたり走ったりするだけなら普通のウィンドブレーカー程度でもいいが、バイクにのるとなると風圧が桁違いに高い。普通のファスナーだと風が隙間から入ってくる可能性がある。2重ファスナーや防風用にベロが裏表にある奴が好ましい。
袖口もきちんと絞れるものが良い。特に首周りは煙突効果で熱が逃げ、冷たい空気が入ってくるので、ネックウォーマーやマフラーで塞ぐのがいい。
とにかく穴と言う穴を塞ぐのである。

次に断熱、保温
断熱層と保温層は別々に書いたが、たいてい同時に適っている事が多い。
防風層で防風が出来ても、その素材自体が肌の熱を通してしまっては意味が無い。
要するに熱をどれだけ逃がさずにいられるか、というのがこの2層の役割である。
これには大抵の場合、(動かない)空気の層を作る方法が用いられる。
空気は温まると比重が軽くなり、冷たい空気と循環をし始める。
循環を始めると熱が移動し、逃げやすくなる。
逆に言えば、空気は流動させなければ熱が伝わりにくい。他の材質と細かい層になればなおさらである。ダウンジャケットなども、ダウンの細かい繊維の隙間に空気があるので、それが熱を閉じ込めて暖かさを保っている。(外気の)冷気も(体温の)熱も通しにくい、これが理想である。

一番肌に近い層は吸汗放湿
実は、人間は生きる為に常に発熱している。
そして同時に、どんなに寒くても常に発汗放湿している。
ということは、気化熱を常に奪われている、ということ。
特に汗をかいた場合、肌に付着した汗は不快感の原因になるし、蒸発して気化熱を奪うし、冷まされやすいので間接的にも熱を奪う。なので、かいた汗を肌の表面から直接気化させるのではなく、この吸汗放湿層から蒸発させることで、肌から直接熱を奪うことを防ぎ、冷たい汗を肌に触れにくくする。
また、最近は吸湿発熱素材のシャツなどもでてきているので(ミズノのブレスサーモとかユニクロのヒートテックとか)、それらを吸汗放湿層の外側に着るのも有用であると思われる。

そしてここが一番重要だったりするのだが、体質の改善や道具を使った発熱
体が温まる食べ物、例えばショウガなどを摂取して体を温めれば、発熱量自体が増えるので非常に効果的である。葛湯とかジンジャーティーとかいいかもしれない。道具といえばカイロやホットグリップなどでの発熱。体で発熱しきれない熱量を補うのに利用できる。特に血流量が少なく冷えやすい指先・つま先を暖めるのには非常に有用。
ちなみに暖めるのはまず足から暖めるのが良い。重力がかかる関係で、足には血液が停滞しやすいからだ。足を暖めれば、結果的に全身の血行がよくなって体温が上がる。足湯や床暖房が有用なのはこの為である。
末端冷え性の人はどうあがいても発熱量が少ないので、おとなしく発熱する道具などに頼りましょう。俺もなんだけどね。

ここまで書いたはいいが長くなってしまった…反省。

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